豆腐メンタルは崩れない

小説家ワナビ視点で、主に執筆環境について書きます。

小説執筆するときの関連ドキュメントをMarkdownで書くと捗るぞ

Scrivenerとの蜜月

https://itunes.apple.com/jp/app/scrivener/id418889511?mt=12&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog

私は、Scrivenerで小説を書いています。

元々Pomera使いだった私がMacBook Airに乗り換えることを決心したのは、このアプリの存在ゆえです。いやまあ、Windows版もありますが。

長文を構成し、アウトプットするための多種多様な機能を擁する(そして軽快に動く)Scrivenerは、小説の執筆を従来より遥かに快適にしてくれました。私はこれで何本かの小説を仕上げて投稿しています。このワークフローについては、後日記事にまとめたいと思います。

これ一本で、本文と関連資料を両方管理していたのですが、あるとき限界が来ました。

だってこいつ、リッチテキストエディタだから。

フォント揃えるのとか超めんどくさい! 見出し作るの超かったるい! リストが汚い! リッチテキスト死ね!

Markdownで書かせてくれよおおおおお!

自分向けのドキュメントの特徴とは

小説執筆においては、誰に見せるわけでもない自分向けのドキュメントが大量に生産されます。キャラや世界観設定、プロット、時系列、ミニ論考など内容は様々ですが、およそ共通して、以下のような特徴が見出されます。

  • 見栄えがそこまで重視されない
  • 作成と参照がシームレス。書きながら読み、読みながら書く
  • 内容が雑多かつ非散文的
  • 使い回しや部分的な転用が多い

Markdownの効用

Markdown - Wikipedia

そもそも、はてなブログに住んでるのもMarkdownで書けるからだったり、SimplenoteでバリバリMarkdownのメモを書いてたりします。

そして、自分向けのドキュメントをMarkdownで書いてみたところ、多くのメリットがあることがわかってきました。

プレーンテキストゆえの高い互換性

Markdownは、一定の規則で書かれているだけのただのテキストです。これは、テキストが扱える全てのソフトウェアが、Markdown文書を容易に記述し、編集し、保存できることを意味します。フォントネームだのフォントサイズだのフォントカラーだの、余計な情報がついていないので、どこからどこへ渡しても、表示崩れを心配する必要がありません。

出自から明らかなようにメールでも送れますし、iOSのメモだろうがEvernoteだろうがGoogleカレンダーだろうが、WindowsだろうがMacだろうがLinuxだろうがPomeraだろうがDropboxだろうがお構いなしです。

同様の記法として、Wiki記法やはてな記法がありますが、Markdownをサポートする環境は遥かに幅広いため、出られなくなるリスクも相応に小さいものとなります。また、記号だけ見ても意味がわかりやすいというのは、他の記法に比べた時の大きなメリットです。

プレーンテキストゆえの取り回しのよさ

文字装飾が単なる文字であるということは、記述するソフトウェアを選ばないことは当然として、容易に検索や置換が可能だということでもあります。

ただのテキストをリストにするのは、行頭に - と半角スペースを付けてやるだけ。複雑に階層化されたリストをただの羅列にするのは、半角スペース*4をまとめて取ってやるだけ。リッチテキストエディタでやったら発狂する作業も、ちょっと気の利いたテキストエディタがあれば数秒です。

Markdownで書いておけば後からどうとでもなるという安心感は、代えがたいものがあるのです。

付け加えると、データサイズが極小なため、やり取りが容易なのも無視できないメリットです。特にモバイル回線で同期する場合、このメリットが地味に効いてきます。

構造化が容易

Markdownは見出し記法・リスト記法をサポートしています。これは、構造的な文書を作成する上で非常に強力であり、なおかつ簡易です。

Markdownをサポートする一部のエディタでは、見出しを一覧し、マーカーとしてジャンプすることさえ可能です。必要なのは、行頭に#を何個か書いておくことだけ。リッチテキストにおける、単に文字がでかいだけの見出しとは、労力も利便性も全く異なります。

リストもまた、ドキュメントを作成する上では便利な記法です。もちろん、リストだけを書くのであれば、専門家であるところのアウトラインプロセッサの方が強力ですが、Markdownのリストは文書の中に入れ込むことができ、その他の装飾的記法を併用しうる点でアウトラインを上回ります。

また、一部のエディタでは、見出しやリストを単位とするブロックを折り畳む、つまり非表示化することができます。これによって、文書中の不要な部分を視界外に追いやることができるのです。

シンタックスハイライトが利く

一部のエディタでは、Markdownの文法を解析して文字表示を変えてくれます。これによって、単なるテキストを書くよりも、遥かに文書構造を把握しやすく、見栄えもよくなります。

特に、簡易プレビュー(仮称)を持つエディタは強力です。いわば、コーディングとWYSIWYG(見たまま編集)のいいとこ取り。

簡易プレビューというのはつまりMouのスクショ的なアレのことで、プレインテキストにリアルタイムでシンタックスハイライトが適用されたり、スタイルが適用されて字が大きくなったり太字になるアレのこと。これが存外便利で、一度体験するとなかなか戻れなくなるくらい良い。 (強調は引用者)

いつの間にかByword神がかってた | Border/memo

つまり、記述と参照が、手順的にも環境的にもシームレスに繋がるわけです。

リッチテキストを捨てよ、Markdownで書こう

これらのMarkdownの特長は、自分向けのドキュメントを管理するにあたって、大きな利益を与えてくれるものだと思われます。なんでもっと早くやらなかったんだろう。

もちろんそれなりのソフトウェア環境は必要ですが、現在においては、使いこなすのも難しくないいくつかの選択肢が用意されています。以下に、後日取り上げる予定のアプリケーションを列挙します。