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豆腐メンタルは崩れない

小説家ワナビ視点で、主に執筆環境について書きます。

ScrivenerからUlysses3に浮気したけど離婚に至らなかった件

Markdown Scrivener Mac

本来ならScrivenerの使い方の記事から書きたいところですが、まあそれはすでに色々あるので以下などご参照ください。

なぜ私はScrivenerに不満を抱いたのか

Scrivenerが物書きにとって優れたソリューションであることは疑いなく、そもそも¥3,900(当時)も払ったわけで、私だってずっとあなたと一緒にいたかった。でも私たち、もうだめかもしれない。ていうかリッチテキスト死ね!

という話は先日書きましたね、ええ。

小説執筆するときの関連ドキュメントをMarkdownで書くと捗るぞ - 豆腐メンタルは崩れない

というわけで実家に帰らせていただいた私は、本文と関連ドキュメントをまとめてMarkdownで管理できるアプリを探し始めた――というか、前々から目を付けていたのです。

それこそが、Ulysses3。生まれ変わったもう一つの統合執筆環境。

Ulysses3(愛人)のセクシーな点と、Scrivener(本妻)の許しがたい点

Ulysses III

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  • The Soulmen GbR
  • 仕事効率化
  • ¥4,500

デモ版は公式サイトのトップからダウンロードできます。

Ulysses III

Markdownエディタ!

そう、3になって生まれ変わったUlyssesは、立派なMarkdownエディタになっていたのです。Markdownのメリットについては先日の記事をご参照のほど。

実際やってみると、Markdownによるシンプルな文書管理は予想以上に快適でした。キャラ設定の書きやすいことといったら。リストを書いてたら、当然のように - +スペースを改行時に補完してくれて泣いた。

一方、本文については、注釈とかコメントとかできんのかいな?と心配だったのですが、見事杞憂に終わりました。Ulysses3の、やたらファンキーな導入テキストを引用しましょう。

メモを追加するもう一つの方法は、{注釈}またはインラインコメントを作成することです。++ 注釈の注釈をクリックしてください。 ++コメントは段落全体にまたがることもできます。

%% 段落。
%% 全体に。
%% またがる。

これらのUlysses3特有の記法によって、注釈やコメントがサポートされていました。テキストを{}で囲むと注釈文入力フィールドがポップオーバーします。入力後、注釈部分をクリックすると注釈文がポップオーバーで表示されます。行中の ++ で囲った部分、または %% で始まる行はコメントとして扱われ、薄い色で表示されます。 || で囲んで打ち消し線も嬉しい。また、これらの記法でマークアップされたテキストは、エクスポート時に無視されます

まともなテキストエディタ

Scrivenerで一行あたりの文字数を任意の値にするために、ウィンドウ幅や文字サイズを調整した記憶は、私の密かなトラウマになっていました。いや、バカすぎでしょそれ。

Ulysses3では、そんなバカなことはありません。一行あたりの文字数は指定できます。投稿先のフォーマットに合わせるのも、設定値をちょちょいといじるだけ! 文字数より重要度は落ちますが、「行の高さ」「段落の間隔」なども指定できました。

また、プレーンテキストエディタなので、設定でフォントを変えたら全体に反映されます。さらに、見出しなどのマークアップに対する装飾も、一括設定一括反映。これこそマークアップ文書。意味と装飾を分離するメリットです。Scrivenerの場合、文書ごとに変更しなきゃならないし、文字装飾を変えたいときなんか完全に悪夢でした。

さらに、ちょっと気の利いたテキストエディタならよくある、しかし欧米産のアプリでは言語の違いゆえに無視されがちな、行数の計測機能もあります。行数、小説書き的には重要なのに、意外と出てこないんだよねえ……単語数とか要らないから、日本語はスペース区切りじゃないから。

Dropbox連携もできる!あと自動同期!

これはちょっと迷いましたが、左パネル下部の + をクリックして 外部ソースを追加 すればOK。Dropbox内フォルダを指定することで、既存文書も簡単に取り込めます。

これはScrivenerでもできるのですが、いちいち手動同期が必要なのがネックでした。Ulysses3は、設定さえしてしまえば、勝手に同期してくれます。泣いた。付け加えると、Scrivenerでプレーンテキスト同期した時の、フォルダがテキストファイルとして生成されるという気の狂った仕様はUlysses3にはありません。

本来はDaedalus TouchとのiCloud同期の話をすべきなんでしょうが、残念ながらデモ版では使えないようです。まあ、iPhoneのアプリを縛られたくないし、どうもグループの階層化ができないようなのでどうせ使いませんが。

Scrivenerより色々スマート!

インターフェースの見栄えとか色々あるけれど、特にタイプライタースクロールの差が大きかったです。

文章を書くのに集中できるタイプライタースクロールモードができるエディタ教えて下さい

Scrivenerのそれは、文末に任意のマージンを付与するだけです。まあそれでも随分役立つのですが、 Ulysses3の場合、上中央下の三段階+可変(マウススクロールに従う)遥かに快適でした。
(追記:そんなわけないでしょ!Scrivenerにもちゃんと同等機能あります!可変はありませんが、下マージン付与もできるので、単純な下位互換ではありません。)

複数のシートを選択してつなげて表示できるのは安心しました。シーンごとにバラけたシートを、まとめて読むのも簡単です。それどころか、下スクロールし続けると次のシートに飛べるのは驚きましたね。なんて読みやすいのか。

一緒に暮らして見えてきた、Ulysses3(愛人)の許しがたい点

もう乗り換えるしかねえ!と愛人宅でいそいそ原稿を書き始めた私。これで終われば記事的にもまとまりがいいんですが、培ってきた夫婦の絆がそれを許しませんでした。

Scrivenerにはあって、Ulysses3にはない、いくつかの決定的な機能が存在したのです。

ファイルブラウザがツリー表示じゃない!

まあ、統合ライブラリの件(参考:Notes Inegales obsolete: Ulysses III)はよしとしましょう。どうせデータはDropboxにあるのだから、終わった作品はリンクを切ればいい。

しかし、グループを多層化したときに、ツリー表示できないのはつらい。Ulysses3は最大3つのパネルを表示するのですが、左がグループ、中央がシートで、どうやってもScrivenerのようなツリー表示にはなりません。まあ関連ドキュメントについてはそれでいいし、なんなら見やすいくらいですが、グッチャグチャに階層化して並べ替えたりする本文がそれでは困るのですよ。

キーボードで文書間移動/文書移動できない!

これはひどい。スクロールで文書間移動とか褒めてる場合じゃなかった。

そりゃシートパネルで上下キーくらいは利きますが、まずシートパネルにフォーカスするショートカットがないじゃないですか。アホか。文書の並べ替えに至っては、全部ポインティングデバイス操作です。こちとらMacBook Airなので、ものすっごい作業効率が落ちました。

付け加えると、パネル分割して複数文書表示もできないので、ファイルブラウザ仕様との合わせ技で、シーン間を行ったり来たりするのが絶望的にめんどくさいです。まあ、複数ウィンドウ開けばいいっちゃあそうですが……。

文書の分割ができない!

これが致命傷

Scrivenerに特有の機能として、文書の分割/結合があります。これは非常に強力で、再検討を要する部分を別文書に切り離したり、シーンの並べ替えなども簡単にできます。しかも、それらの処理が全て、キーボードショートカットで実行できます

Ulysses3でも結合はできるのですが、どうせバラけたままでもつなげて表示できるので、そっちはわりとどうでもいいんですよね。分割ができないことによって、書いたテキストはシート内に閉じ込められます。小説という〝生き物〟を扱う上で、この差はあまりにも大きなものでした。

ていうかけっこう不安定なんだけど……

メモリ2GBのLate2010使ってる私も悪いんですが、動作もScrivenerに比べるとだいぶ重いです。

ただいま、Scrivener。

Scrivener

Scrivener

  • Literature & Latte
  • 仕事効率化
  • ¥4,500

まとめるとこういうこと。

とっとと離婚+再婚したいのでアップデートがんばってThe Soulmen GbR!!!

アップデート:「来ちゃった……」

はえーよ!

続き:私のラブコールに応えるUlysses IIIのアップデートにときめきエスカレートしたけど、このままではマダマダだった件 - 豆腐メンタルは崩れない